
こんにちは、院長の藤井です。
8月半ばになり、お盆の帰省や家族旅行を予定されているご家庭も多いのではないでしょうか。
「久しぶりに親戚に会える」「家族で思い出を作りたい」と楽しみにされる一方で、発達の特性を持つお子さんを育てる親御さんからは、このようなお話を伺うことがあります。
「旅行に行くと、いつも以上にぐずってしまう」
「予定が変わるとパニックになってしまう」
「楽しいはずのお出かけなのに、親子ともにぐったり疲れて帰ってくる」
そんな経験をされたご家庭も少なくありません。
今回は、なぜ「いつもと違う環境」でお子さんが不安になりやすいのか、そして安心して過ごすための工夫についてお話しします。
「いつもと違う」が大きなストレスになることがあります
普段は落ち着いて過ごせているお子さんでも、帰省先や旅行先では不安定になることがあります。
それは「わがまま」だからではありません。
発達の特性があるお子さんの中には、予定の変更や慣れない環境、人混みや大きな音、初めて見る食べ物や匂いなど、多くの刺激を一度に受けることが苦手なお子さんがいます。
旅行では、いつもの生活リズムが変わり、「次に何をするのか分からない」という状況も増えます。
そのため、不安が強くなったり、疲れがたまりやすくなったりして、泣いたり怒ったり、パニックのような状態になってしまうことがあります。
お出かけを安心して楽しむための3つの工夫
① 事前に見通しを伝える
旅行先の写真やホテルのホームページ、電車や飛行機の写真などを見せながら、「今日はここに泊まるよ」「明日はここへ行くよ」と事前に伝えておくと、お子さんも心の準備がしやすくなります。
見通しが持てるだけで、不安が和らぐお子さんは少なくありません。
② 一人で落ち着ける場所を用意しておく
親戚が集まる場や観光地では、刺激が多く疲れてしまうことがあります。
「少し疲れたら別の部屋で休もう」「ホテルに戻って休憩しよう」など、静かに過ごせる場所をあらかじめ考えておくと安心です。
音に敏感なお子さんでは、イヤーマフやイヤープラグなどを持参するのも役立ちます。
③ 必要があれば主治医に相談する
毎回強いパニックになってしまうお子さんでは、事前に主治医へ相談しておくことも一つの方法です。
必要に応じて、漢方薬や頓服薬などを「お守り」として準備しておくことで、ご家族にも安心感が生まれます。
もちろん、お薬が必要なお子さんばかりではありません。
ご家庭だけで抱え込まず、相談できる選択肢があることを知っておいていただければと思います。
「楽しかった」という経験を積み重ねていきましょう
旅行や帰省では、予定どおりにいかないこともあります。
それでも、「最後まで過ごせた」「疲れたけれど楽しかった」「困ったときに助けてもらえた」という経験は、お子さんにとって大きな自信になります。
こうした成功体験は、「自分は大丈夫」「初めての場所でも何とかできる」という自己効力感につながり、次のお出かけへの安心感を育ててくれます。
帰省や旅行は、完璧に過ごすことが目的ではありません。
お子さんに合わせて予定を調整したり、途中で休憩したりしながら、ご家族みんなが無理なく過ごせることが何より大切です。
この夏のお出かけが、ご家族にとって温かな思い出となりますように。もし不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。

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