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大学入学共通テストの「合理的配慮」をご存じですか?

大学入学共通テストの「合理的配慮」をご存じですか?|どんぐり発達クリニック|発達障害

大学入学共通テストの「合理的配慮」をご存じですか?

こんにちは、院長の藤井です。

7月1日から、大学入学共通テストの「受験上の配慮(合理的配慮)」の申請が始まりました。

大学受験を控えたお子さんやご家族にとって、大切な時期になってきました。

「まだ高校2年生だから大丈夫」「受験生になってから考えれば間に合う」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、この制度は、高校1〜2年生のうちから準備を始めておくことがとても大切です。

この時期になると、高校生のお子さんを持つ親御さんから、受験に関するご相談をいただくことが増えてきます。

「勉強は頑張っているのに、本番になると周りの音が気になって集中できない。」

「時間配分が苦手で、最後まで問題を解き切ることができない。」

このようなお悩みを抱えているお子さんに知っておいていただきたいのが、大学入学共通テストの**「合理的配慮(受験上の配慮)」という制度です。

合理的配慮とは、障害や発達特性によって本来の力を発揮しにくい場合に、その子が公平な条件で受験できるよう環境を整えるための制度です。

「特別扱い」でも、「優遇」でもありません。

その子がこれまで積み重ねてきた努力や実力を、できる限り発揮できるようにするための大切な仕組みです。

例えば、共通テストでは次のような配慮が認められることがあります。

  • 試験時間の延長(1.3倍など)
  • 別室での受験
  • 問題冊子の拡大
  • 注意事項を書面で伝える
  • イヤーマフなどの使用

どのような配慮が認められるかは、お子さんの特性や困りごとによって異なります。

詳しい内容については、大学入試センターのホームページをご確認ください。

「合理的配慮」は受験だけのものではありません

私が親御さんにお伝えしたいのは、「合理的配慮」は受験のためだけの制度ではないということです。

自分の特性を理解し、「こういう環境なら力を発揮できます」と周囲に伝えることは、これから先の人生にもつながる大切な力になります。

大学では、個別スペースでの受験やパソコンの使用、講義での配慮など、高校までと同等、あるいはそれ以上の合理的配慮を受けられる大学も増えています。

さらに社会に出れば、自分の特性を理解した上で一般就労を選ぶ方もいれば、障害者雇用という制度を活用し、自分の得意なことを活かしながら働く方もいます。

どちらが正解ということではありません。

大切なのは、自分の特性を知り、自分に合った環境を選択できることです。

合理的配慮は、「苦手だから助けてもらう」ということではなく、「自分らしく力を発揮するために環境を整える」という考え方です。

準備は高校1〜2年生から始めましょう

この制度を利用する上で知っておいていただきたいことがあります。

それは、準備には時間がかかるということです。

共通テストの配慮申請では、診断書だけではなく、高校生活の中で実際に同じような配慮を受けてきた経過も大切になります。

そのため、高校3年生になってから準備を始めるのではなく、高校1〜2年生の頃から学校と相談し、定期テストなどで必要な配慮を受けながら過ごしていくことが望まれます。

また、診断や心理検査、発達検査についても、多くの医療機関で予約が混み合っており、検査から結果が出るまで数か月かかることも少なくありません。

受験直前では間に合わないこともありますので、気になることがあれば早めに相談されることをおすすめします。

なお、大変恐れ入りますが、当院で合理的配慮申請のための診断書を作成できるのは、これまで継続して通院され、お子さんの経過を十分把握している患者さんに限らせていただいております。

初診のみでは、お子さんの日頃の様子や特性を十分に把握することが難しく、診断書の作成はお受けしておりません。

すでに他院へ通院されている場合は、まずは現在の主治医の先生へ早めにご相談ください。

受験は、その先の人生にもつながっています

受験は、お子さんにとっても親御さんにとっても、不安や緊張が大きくなる時期です。だからこそ、一人で抱え込まず、「今からできる準備」を少しずつ進めていくことが大切です。合理的配慮は、努力を補うものではありません。

努力してきた力を、きちんと発揮するための環境を整えることです。そして、それは受験だけの話ではありません。自分の特性を理解し、必要な配慮を周囲に伝えながら、自分らしく学び、働き、生きていく力にもつながっていきます。大学受験は、そのための第一歩でもあります。

受験だけではなく、その先の大学生活や社会生活も見据えながら、お子さんが自分らしく歩んでいけるよう、一緒に準備を進めていきましょう。

 

院長 藤井 明子
記事監修
院長 藤井 明子

北里大学医学部 卒、東京女子医科大学医学系大学院修了、東京女子医科大学病院、長崎大学病院、長崎県立こども医療福祉センター、さくらキッズくりにっく 院長、どんぐり発達クリニック 院長

医学博士、日本小児科学会 小児科専門医、日本小児神経学会 小児神経専門医、日本てんかん学会 てんかん専門医、日本小児精神神経学会 小児精神神経学会認定医、子どものこころ専門医

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