
こんにちは。どんぐり発達クリニックの作業療法士です。
「お箸を上手に使う」「鉛筆で文字を書く」。大人にとっては当たり前の動作も、子どもたちにとっては乗り越えるべき大きなステップです。なぜ、ある子はスプーンからお箸への移行がスムーズで、別の子はそうではないのでしょうか?その答えは、目に見えない「道具を使うために必要な機能」の発達段階にあります。今回は、その土台となる4つの段階について、図とともに詳しくお話しします。

【第1段階】
まず土台として、感覚機能が必要です。身体の傾きを感知しバランスをとる前庭覚や、筋肉の収縮や関節の動きを感知する固有感覚が育つことが、第2段階の姿勢や筋力につながります。また、目の運動には視覚が必要です。他にも触覚などの感覚情報を全身や指先から受け取ることで、身体や手指をうまく動かすことができます。
【第2段階】
道具を使うためには、安定した姿勢で座り続けることが大切です。また、握力やつまむ力、腕力があることで、道具を安定して操作することができます。目で見ることは、道具を正しく認識し操作するために必要です。
【第3段階】
ボディイメージとは、自分の身体の大きさや縁取りを理解しているということです。どのように道具を操作すれば良いのか判断し動かすためには、ボディイメージや慣れない運動を組み立てることが必要です。
【第4段階】
段階があがると、お箸の開閉や鉛筆で文字を書くなどの細かな操作ができるようになります。また、利き手で食具を操作し反対の手でお皿を持つなど、左右の手の使い分けもできるようになります。
さらに言語の機能が上がることで、より複雑な動きを指示されても実行することができるようになります。
これらの段階が積み重なることで、道具の操作が上達していきます。
また、身体の大きさに合った椅子や机を使うこと、手の発達に合わせた道具を使うことといった環境の調節も大切です。
当院の作業療法では、スプーンやお箸、鉛筆などの道具操作に向けて、お子さまの段階に合わせて活動を提供しています。診察時にお気軽にご相談ください。
※参考書籍:
・中村由紀子,稲田穣,発達障害や身体障害のある子どもへの摂食嚥下サポート,中央法規,2024年,6月
・鴨下賢一,発達が気になる子へのスモールステップではじめる生活動作の教え方,中央法規,2018年,1月

Instagram



