
こんにちは、どんぐり発達クリニックの作業療法士です。
作業療法では、日常生活で必要なスキルを習得するために、食事や着替えなどの日常生活動作の訓練や、手先の細かい動き(微細運動)・ジャンプや走るなどの動き(粗大運動)の支援などを行います。今回は、手先の細かい動き、特にスプーンの持ち方の発達についてご紹介します。
①手掌回内握り (1歳~1歳半)
手の平全体でグーに握る持ち方です。肩や肘の動きでごはんをすくいます。
②手指回内握り (2歳~3歳)
親指と人差し指が伸びる持ち方です。小指側でスプーンを支えます。
③側方つまみ
人差し指の先と中指の側面で支えながら、親指で挟むようにつまんで握る持ち方です。
前腕(肘から手首の部分)を使い、手を返す動きが加わるようになります。
④静的三指握り (3歳半~4歳)
親指と人差し指の腹、中指の側面の三本の指と、親指と人差し指の間で支えて持ちます。
手首の大きな動きを使えるようになります。
⑤動的三指握り (4歳半~6歳)
前の段階よりも指全体を軽く曲げた持ち方です。
手首や指先の動きで、持つ位置を細かく調節することができます。
このように、スプーンの持ち方には発達の段階があります。スプーンを上手に持てるように、最初から大人の持ち方を教えてしまいたくなるかもしれませんが、これらの段階は手の成長につながるために必要です。それぞれの段階を十分に経験し、大人の持ち方へと進んでいくことが大切です。
どんぐり発達クリニックの作業療法では、お子さんの段階に合わせて手の発達を促すとともに、必要に応じて補助具の紹介をしています。今後コラムを通して、手の発達につながる遊びや補助具も発信していきます。何かお困り事がございましたら、お気軽にご相談ください。
※参考書籍:発達が気になる子へのスモールステップではじめる生活動作の教え方