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家庭での話しかけがことばを育てます

家庭での話しかけがことばを育てます|どんぐり発達クリニック|発達障害

こんにちは。どんぐり発達クリニックの言語聴覚士です。

子どものことばの発達について、「どんな関わりをすればいいのだろう」と悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。

実は、ことばの土台は特別な指導ではなく、毎日の生活の中のやりとりの中で育っていきます。
今回は、家庭での話しかけがことばの発達や思考力にとってどれほど大切かについてお伝えします。

ことばの土台は生まれた日から

生まれたばかりの赤ちゃんは、泣くことで気持ちを伝えます。そんな赤ちゃんがことばを理解しているとは思っていなくても、思わず「かわいいね」「ママだよ」「おなかすいたね」と声をかけてしまうものではないでしょうか。

実はこういった大人の話しかけは、ことばをまだ理解していない時から赤ちゃんのことばの土台になっていきます。

何語で話しかけたらいいの?

日本で暮らす、外国にルーツのあるご家庭では、何語で話せばいいのか迷うこともありますよね。

まずは養育者が一番話しやすい言語で話しかけてください。豊かな言語表現を聞いて育つことで思考力の土台になったり、自分のルーツを知る手がかりになります。

日本で暮らすことが決まっていても、無理に日本語で話しかける必要はありません。むしろ、家庭では養育者の話しやすい言語でコミュニケーションをとり、保育園や幼稚園などの集団生活で日本語を使うほうが、学習言語としての日本語も伸びやすいのです。

まずは子どもの視点に立って

子どもは、はじめから親の見ているものが見えているわけではありません。視力の発達もそうですし、自分の見ているものや動きに名前があることもまだわからないのです。

そんな時、大人は「くーるくーる回ってるね」「おしりをきれいきれいしようね。すっきりしたね」など、お子さまの視点に立ってことばにしてみてください。

赤ちゃん言葉と呼ばれるような、同じ音を二回繰り返すオノマトペは日本語にはたくさんあります。

例えば、「わんわん(犬)」「にゃんにゃん(猫)」といった動物の鳴き声や、「ブーブー(車)」「ちっち(おしっこ)」などの生活に身近なもの、あるいは「きらきら」「ぴかぴか」といった状態を表す言葉があります。

繰り返し聞くことでお子さまの耳に残りやすく、真似しやすいのでどんどん使ってください。

こういった話しかけをするとき、大人は自然に少し高い声で、ゆっくりと話します。それが赤ちゃんにとって伝わりやすいと、自然に知っているからです。

指差しから会話へ

少し大きくなると、大人が指さしたものを見たり、自分で指差しをして大人に見てと伝えてくるようになります。

例えば、散歩中にちょうちょを見つけました。お子さまが「あ!」とちょうちょを指さします。その時はすかさず「ちょうちょ、いたね」「ちょうちょ、きれいだね」「ちょうちょ、待ってー」などと、簡単なことばで返してあげてください。

大人に気持ちが伝わったことで、またいろんな発見を教えてくれるようになります。このやりとりのなかで、目の前のものがなんという名前か、どんなものか、どんな動きかなどの理解の幅が広がります。できるだけお話を広げてあげてください。

それが積み重なり、1往復だったやりとりが、2往復になって、どんどんと広がっていきます。お子さまからの反応は、まだことばではないかもしれません。でも、「ママも見た?おおきいね」とでもいうように、目を輝かせていることでしょう。

お話しができるようになってからも同じです

いつの間にか単語が話せるようになり、2語文、3語文とことばをつなげて話せるようになってからも、大切な話しかけは同じです。

お子さまのほうを向いて、たくさん話して、会話をつなげる。ただ大人から話しかけ続けるのではなく、お子さまの話したいことを聞いていくことも大切です。

「パパはこう思うけど、〇〇ちゃんはどう?」など、答え方の見本になるような話しかけもいいですね。こうしたやりとりの中で、子どもは自分の考えをことばにする経験を重ねていきます。

テレビや動画との付き合い方

テレビや動画が悪いわけではありません。

けれど、ことばの土台になるのは「双方向のやりとり」です。「言いたいことが伝わった、わかってもらえた」という感覚が大切なのです。

残念ながらテレビや動画は答えてくれません。楽しい時間を提供してくれますが、やりとりに使える表現を身につけることが難しいのです。

短い時間でも、目を合わせ、同じ話題を共有する時間を大切にしてみてください。

例えば、一緒に番組を見ているときでも、「この動物、なんだろうね?」「〇〇ちゃんもこの前、公園でこんなことしたね」などと、画面の内容をきっかけに話しかけてみましょう。また、見た内容を絵に描いたり、「ごっこ遊び」に発展させたりするのもおすすめです。このように、画面の向こう側で起きていることを、現実世界での「対話」や「遊び」に繋げることで、ことばの学びは深まっていきます。

毎日の中に、ことばの種がある

乳児期も、幼児期も、学童期も。
ことばは特別な訓練よりも、日常のやりとりの中で育ちます。

抱っこしているときも。
公園で遊んでいるときも。
学校から帰ってきた夕方のひとときも。

子どものことばは、毎日の「あなたとの対話」で育っていきます。

今日のひと声が、未来のことばにつながっています。

不安なときは、一人で抱え込まず、ぜひご相談ください。
私たちは、その成長を一緒に見守っていきます。

参考文献:ダナ・サスキンド
「3000万語の格差 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ」

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院長 藤井 明子
記事監修
院長 藤井 明子

北里大学医学部 卒、東京女子医科大学医学系大学院修了、東京女子医科大学病院、長崎大学病院、長崎県立こども医療福祉センター、さくらキッズくりにっく 院長、どんぐり発達クリニック 院長

医学博士、日本小児科学会 小児科専門医、日本小児神経学会 小児神経専門医、日本てんかん学会 てんかん専門医、日本小児精神神経学会 小児精神神経学会認定医、子どものこころ専門医

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