こんにちは、どんぐり発達クリニックの言語聴覚士です。
「子供の言葉がなかなか出てこない…」
大人が言っていることはなんとなくわかっていそうだし、簡単な指示行動はできるのに自分からの発信がないというご相談をよく耳にします。
そんなとき、大人の関わりかたのヒントとして『インリアル・アプローチ』についてご紹介しています。
インリアル・アプローチでは、表情やジェスチャーなどお子さんの話し言葉以外での表出もコミュニケーション手段として捉えています。また、お子さんの状態だけでなく、大人の関わりについてもコミュニケーション発達における重要な役割を果たしているとしています。
インリアル・アプローチでは、以下の「SOUL」を大人の基本姿勢としています。
S:Silence
静かに見守る
O:Observation
お子さんの様子をよく観察する
U:Understanding
観察したことから、お子さんのコミュニケーションの癖や課題をよく理解し、お子さんへの支援にどんなことができるか考える
L:Listening
お子さんのサインに目を向け、耳を傾ける
言葉ではない方法で発信されたものもよく受け取る
この基本姿勢を見てみると、当たり前と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、仕事に、家事に、育児にと色々やることが多いと、お子さんをゆっくりよく観察するのも難しいことがあるかもしれません。
現代社会において、大人のコミュニケーションのテンポはどんどん早くなっているかと思います。その一方で、お子さんの言葉の育ちに必要なプロセスや時間は、急激には短縮できません。お子さんの育ちのペースも一人一人違います。
日々大人の生活も頑張っている保護者の方のテンポでのコミュニケーションは、言葉を育んでいる最中のお子さんたちには速すぎる可能性があります。
まずは、SOULの基本姿勢を頭の片隅に入れて、日々の接し方に取り入れてみてはいかがでしょうか?
お子さんのテンポに合わせた声掛けや、反応が返ってくるまで待ってみるということをお試しいただけたらと思います。