どんぐり発達クリニックの作業療法士です。
私たちの日常生活のなかで、「見ること」は学習や運動、社会性の発達に欠かせない重要な能力です。この「見ること」を支える総合能力を【視覚機能】と呼び、大きく二つの機能に分けられます。 前回のブログでは、私たちの生活のなかで「見ること」を活用するための総合能力である【視覚機能】についてお話しをしました。
【視覚機能】は大きく2つの機能に分かれています。

今回は、その【視覚機能】の**「①入力機能(後編)」**に焦点を当て、ご家庭や学校でのお子さんの様子をチェックするためのリストをまとめました。
「文字をうまく書けない」「ボール運動が苦手」「集中して見続けるのが難しい」など、お子さんの「ちょっとした困りごと」の背景には、もしかしたら視覚機能の課題が隠れているかもしれません。チェックリストの質問項目にYES・NOで答えながら、お子さんの視覚機能について一緒に考えてみましょう。
【 視覚機能チェックリスト ①入力編(後編) 】
| 質問項目 | 答え | |
| 6 | 文字を書くときに、マスからはみ出したり、読めないくらい形が整わない文字を書くことがある。 | YES・NO |
| 7 | 筆算の計算で、桁をそろえてノートに書き、計算することがむずかしく、書いているうちに位がずれてしまうことがある。 | YES・NO |
| 8 | ボール運動が苦手で、投げられたボールをうまく受け取ることがむずかしい。 | YES・NO |
| 9 | はさみを使って直線上や曲線上をうまく切ることができず、不器用である。 | YES・NO |
| 10 | 作業や話を聞くときなど、集中して見ることが苦手で、たえず視線を動かす様子がみられる。 | YES・NO |
→ YESの項目があった場合は、チェックリストの解説を読んで、背景にどのような問題が考えられるかを検討してみましょう。
〇背景を考えてみよう!
| 6 | 文字を書くときに、マスからはみ出したり、読めないくらい形が整わない文字を書くことがある。 |
| 7 | 筆算の計算で、桁をそろえてノートに書き、計算することがむずかしく、書いているうちに位がずれてしまうことがある。 |
【背景】:手先の器用性の問題から起こることもありますが、目線がしっかりと鉛筆の先を捉えられていなかったり、眼球運動と手の動きをうまく協調させられないことからも起こります。眼球運動が上手になってくれば、手の運動にもよい影響を与えます。また、正しい文字の形をしっかりとイメージできていないために、うまく書けない場合もあります。
| 8 | ボール運動が苦手で、投げられたボールをうまく受け取ることがむずかしい。 |
【背景】:眼球運動の問題で、ボールの動きをしっかり捉えられていないことから起こります。動きのあるものに対して、眼の動きを合わせていけないため、大縄跳びなど動きのあるものに反応する運動は、全般に苦手になってくることが多くあります。
| 9 | はさみを使って直線上や曲線上をうまく切ることができず、不器用である。 |
【背景】:手先の器用性と関連がありますが、目標となる線をしっかりと捉える目の動きができているかどうかも問題になります。この機能は、手先を使う作業全般に必要なことです。折り紙をうまく折ることができないなどという場合も、眼球運動の問題が関連していることがあります。
| 10 | 作業や話を聞くときなど、集中して見ることが苦手で、たえず視線を動かす様子がみられる。 |
【背景】:注意集中力の問題と関連しています。眼球運動をコントロールしている脳の前頭葉という場所は、注意を司っている場所と重なっています。注意集中が苦手な人は、眼球運動のコントロールも苦手である場合があります。
今回は、【視覚機能】の1つである入力機能について、チェックリストを用いながら背景を考えてみました。チェックリストに該当する場合、当院の作業療法でも評価ができますので、診察時にお気軽にご相談ください。
〇参考文献
北出勝也(2009).読み書き・運動が苦手なのには理由があった 学ぶことが大好きになるビジョントレーニング.P12ー22

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