どんぐり発達クリニックの作業療法士です。これまで3回に分けて学習や運動をするうえで重要な役割を担っている眼球運動についてお話しをしてきました。
①眼球運動について:https://x.gd/On4dR
②眼球運動のチェック方法について:https://x.gd/y20Wv
③眼球運動の遊びについて:https://x.gd/JqlN2
今回は、眼球運動の検査についてお話しをします。
【対面法による眼球運動評価】
・対象年齢:6歳以上
・内容:ブログ②「眼球運動のチェック方法について」を閲覧ください。(上記にリンクあり)
・その他:参考動画 https://x.gd/xPGq9o
【DEM(Developmental Eye Movement test):眼球運動発達検査】
・対象年齢:小学生1年生から中学生2年生
・内容:数字をどれだけ速く正確にいえるか(数字呼称)、目で目標の数字をどれだけ正確に追うことができるか(衝動性眼球運動)を測定するテストであり、テストA・B・Cの3構成となっています。
テストA・Bは、等間隔に縦に並んだ数字を上から下に音読します。
眼球運動への負荷の低い数字呼称課題となっており、視線の固定と数字の認識速度(視覚的言語処理)を評価します。
テストCは、不当間隔に横に配置された数字を左から右方向に音読してもらいます。眼球運動の負荷の高い数字呼称課題となっており、衝動性眼球運動と視覚情報処理能力を測定します。
テストA・Bの合計タイム数、テストCのタイム数、比率や間違い総数を基準値と比較し評価をします。
【近見・遠見数字視写検査】
・対象年齢:6歳0ヶ月~14歳11ヶ月
・内容:近見(手元)と遠見(3m)で数字の表を書き写す2種類の個別検査です。数字を書き写すのに要する時間を測定し、誤って書き写した数を自己修正したもの(修正あり間違い数)と修正しなかったもの(修正なし間違い数)に区別して数えます。また、枠からはみ出した数(はみ出し数)も数え、各年齢の平均値と比較し評価をします。
・その他:参考動画 https://x.gd/192C3
今回は、【眼球運動の検査】についてお話をさせていただきました。「眼球運動」は、学習や運動をするうえで重要な役割を担っています。板書が苦手、音読の読み間違えが多いなど、苦手さがある場合には、眼球運動の苦手さが関係している場合もあります。当院の作業療法でも評価ができますので診察時にお気軽にご相談ください。
〇参考文献
奥村智人・若宮英司.『学習につまずく子どもの見る力:視力がよいのに見る力が弱い原因とその支援』.明治図書,2010.