
こんにちは、どんぐり発達クリニックの言語聴覚士です。
今回は、吃音(発達性吃音)について理解を深めることができる絵本『ぼくは川のように話す』をご紹介します。
吃音(発達性吃音)とは
吃音には主に次のような話し方の特徴が見られます。
・「ど・ど・ど・ど・どんぐり」(連発・繰り返し)
・「どーーーんぐり」(伸発・引き伸ばし)
・「・・・どんぐり」(難発・ブロック)
2〜4歳頃の言語発達が進む時期に出始めることが多く、20人に1人ほどの割合でみられます。
主な要因は体質的なものであり、育て方が原因ではないことがわかっています。
吃音は発症から3年ほどで7〜8割の方が落ち着いていきますが、残りの2〜3割は学齢期以降も続くことがあります。
絵本『ぼくは川のように話す』について
この絵本は、吃音のあるカナダの詩人ジョーダン・スコットが、自身の少年時代の体験をもとに書いた物語です。
『朝、目をさますといつも、ぼくのまわりはことばの音だらけ。』『そして、ぼくには、うまくいえない音がある。』
学校でみんなの前で発表する日、どうしても口が動かない。そんな日の放課後、おとうさんが「どこかしずかなところへいこう」と川へつれていきます。
『ほら、川の水を見てみろ。あれが、おまえの話し方だ』
父のことばに少年が目を向けると、『川はあわだって、うずをまいて、なみをうち、くだけ』ながら流れています。
その瞬間、「ぼく」は気づきます。『川だってどもってる。ぼくとおなじように。』
シドニー・スミスの描く水のきらめきや少年のまなざしからも、その気づきの瞬間が生き生きと伝わってきます。
絵本を通して伝えたいこと
この絵本は、吃音のあるお子さんを育てるご家庭や、保育園・学校の先生方にぜひ読んでいただきたい一冊です。
読むことで、吃音とはどんな感覚なのか、少し身近に感じていただけると思います。
園や学校では、吃音のある子もない子も一緒に読み聞かせをして、「いろんな話し方があって当たり前」という空気を自然に伝えられると良いでしょう。
また、ご家庭や園でも吃音についてお子さんと話してみてください。
「気づいているよ」「困っていたら一緒に考えたいよ」と、ことばにして伝えることで、お子さんの安心につながります。
最後に
吃音があってもなくても、その人の話し方はその人らしさの一部です。
この絵本は、「すらすらと流れるように話さない」ことも自然で美しいことを教えてくれます。
吃音が出始めた、話すのを嫌がっている、苦しそうに感じる 。そんなときは、どうぞお気軽にご相談ください。
絵本を通して、「そのままの自分でいい」という安心感が広がっていくことを願っています。

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