
こんにちは、どんぐり発達クリニック作業療法士です。
最近よく“感覚遊び”をしましょう!と聞くことが増えたのではないでしょうか。でも、感覚遊びってなあに?五感を使った遊びかな?と思っている方も多いのでは。今回は、感覚遊びについてお話しようと思います。
米国の作業療法士であるエアーズ博士は、人間の発達や行動を、脳における感覚情報の統合という視点から捉えて感覚統合理論をつくりました。感覚統合は積木を積みあげるように発達すると言われ、その土台となる「視覚」「前庭覚」「固有受容覚」「触覚」「聴覚」を整えていくことが重要です。
こんなこと、ありませんか?
「今日は一日家の中で過ごしたいけど、、家中を激しく走り回っている」
「イライラしやすく怒りっぽい」「いつもぼんやり、話を聞いていない」
「気が散りやすく落ち着かない」
そんなときは土台である感覚が不安定な状態かもしれません。感覚には回避・過敏・探求・低反応とタイプがあります。それぞれのタイプに合わせた遊びを行うことで感覚が満たされ情緒の安定にも繋がります。
この中の感覚探求タイプは、感覚刺激を積極的に求める行動が特徴的です。このタイプは、通常よりも多くの感覚入力を必要 とし、好奇心旺盛に感覚的な活動に没頭する傾向があります。
具体的な様子として、常に体を動かしていたい、高速で回転する遊具を楽しむなど、多くの刺激を必要としています。感覚を満たすことで、安心感や満足感を得ようとします。
今回は“感覚探求”タイプの感覚遊びをご紹介します。
その1. たおるでぐるぐるのりまき
① タオルを敷き、お子さんの体と腕を巻いていく。(首以上の場所、顔の口や鼻の場所は避けましょう)
② タオルの端を持ち、ころころと転がるようにほどいていく。
ポイント!
・タオルで巻くときは身体に圧を加えると鎮静効果があります。きゅっときつめに巻いてあげるとよいでしょう。
・ほどくときは周囲に危険な物がないか、確かめてから行おう。床は絨毯やマット、お布団の上で遊ぶことをおすすめします。
その.2 タオルで綱引き
① タオルの端と端を持ってひっぱる
ポイント!
・全身にグッと力が入ると感覚が刺激されます。緩急をつけながら引っ張り合いをしよう。
・裸足で行うことで足の踏ん張る力やタオルを握る手の力も養われ一石二鳥です。
おうちでできる感覚遊びをご紹介しました。まだまだ感覚を使った遊びはたくさんあります。そして身体の感じ方は人それぞれ、十人十色です。好きな感覚・苦手な感覚とうまく付き合いながら、身体の土台を作っていきましょう。
高畑脩平(2024):子ども理解からはじめる 感覚統合遊び.株式会社クリエイツかもがわ