DHDの子どもは主に下記のような特徴があります。
ADHD(注意欠如・多動性障害)の子どもは先に述べた主な特徴に加えて、他の障害をあわせもつ場合が多くあります。
ADHDの子どもは、まったく集中できないイメージでとらえられがちですが、自分の興味のあることに対してはおどろくほど集中することができます。
頭の中が自分の興味のあることでいっぱいになっているために、その他のものが入ってこないとも言えます。
ADHDの子どもに対しては、ほめることが非常に大事です。
何度も同じことを注意しても同じ間違いをする子どもがいますが、そこには理由があります。
ワーキングメモリーとは、ものごとを成し遂げようとする時に、必要な前提や途中経過の情報を、一時的に記憶しておく脳のはたらきのことです。
ADHDの子どもはこのワーキングメモリーが少ない傾向にあるため、それまでやっていたことや過去の経験を参照しながら考えることが苦手です。
その場の情報だけで行動することが多いため、何度も同じ間違いをしてしまいます。
親は、たとえ何度も同じ注意をすることになっても、子どもを絶対に責めてはいけません。
覚えていてもわかっていてもその場に出てこないのですから。
当たり前のことをやったときに、必ずほめてあげるようにします。
ほめて、子どもを評価してあげることは、発達をサポートしていくうえでとても重要なことなのです。
ADHDは、アメリカ精神医学会が定めた診断基準をもとに、傾向をチェックすることができます。 (現在この診断基準は、変更が行われています。まだ日本語訳が完成していないため個々に載せることができません。完成すれば、訂正し載せていきます。)
(A-1)以下の不注意のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヶ月以上続いたことがある。
不注意
チェック項目 | |
学業、仕事、またはその他の活動において、しばし綿密に注意することができない、または不注意な過ちをおかす。 | |
課題または遊びの活動で、注意を持続することがしばしば困難である。 | |
直接話しかけられたときに、しばしば聞いていないように見える。 | |
しばしば指示に従えず、学業、用事、または職場での義務をやり遂げることができない。 | |
反発しているとか、理解できないということではないにも関わらず、指示に従うことができず、学業や用事、職場で与えられた仕事をやり遂げることができない。 | |
課題や活動を順序立てることがしばしば困難である。 | |
(学業や宿題のような)精神的努力の継続を要する課題に従事することをしばしばさける、嫌う、またはいやいや行う。 | |
(おもちゃ、学校の宿題、鉛筆、本、道具など)課題や活動に必要なものをしばしばなくす。 | |
しばしば外からの刺激によって容易に注意をそらされる。 | |
しばしば毎日の活動を忘れてしまう。 |
◇(A-2)以下の多動性・衝動性の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヶ月以上、継続したことがある。
多動性
チェック項目 | |
しばしば手足をそわそわと動かし、またはイスの上でもじもじする。 | |
しばしば教室や、その他、座っていることを要求される状況で席を離れる。 | |
しばしば不適切な状況で、余計に走りまわったり高いところへ上ったりする(成年または成人では落ち着かない感じの自覚のみに限られるかもしれない)。 | |
しばしば静かに遊んだり、余暇活動につくことができない。 | |
「じっとしていない」またはまるで「エンジンで動かされるように」行動する。 | |
しばしばしゃべりすぎる。 |
衝動性
チェック項目 | |
しばしば質問が終わる前にだし抜けに答えてしまう。 | |
しばしば順番を待つことが困難である。 | |
しばしば他人を妨害し、邪魔する。 |
※このチェックリストはDSM-4TRの診断基準を用いています。
DSM:「精神障害の診断と統計の手引き」アメリカ精神医学会がまとめた診断マニュアル。