ASD(自閉症スペクトラム障害)の人には、「社会で必要な3つの能力」に問題がある場合が多いといわれています。
社会で必要な3つの能力とは、以下の3つを指します。
現在の分類では下記の診断名は、ASDのみになっています。ただ、旧分類の方が説明しやすいのでここでは敢えて旧分類(ASDと表示)も使っておきます。
アスペルガー症候群
ASDのうち、知的な能力が正常範囲以上で、言語発達の遅れもない方をアスペルガー症候群と呼びます。
自閉症
ASDのうち、言語発達に遅れがある方を自閉症と呼びます。
ASDには、以下のような特徴がみられます。
コミュニケーション力の障害
想像力の障害
社会性の障害
前で紹介したコミュニケーション能力の障害、想像力の障害が原因となり、他人と関係をつくることが困難である場合が多い。
その他に併せ持つ障害
感覚過敏:聴覚、味覚、嗅覚などの五感に敏感、または逆に鈍感
何通りかの意味を持つ言葉の理解が困難
例「たたかう」
「たたかう」を、武器をもって戦うとしか理解できない。
※この記事は2011年11月時点での診断基準をもとに作成しています。
トラウマになりやすい
ASDの人たちは、トラウマになりやすい傾向があります。
たとえささいなできごとであっても、それがトラウマになります。
ふとした瞬間に、トラウマになった出来事が、頭の中にふっと浮かんできます。(フラッシュバック)
そうなるとパニックになります。
急にギャーッと叫んだり、大暴れしたりというのは、実際に何か記憶がよみがえってきている状態なのです。
そのときには、フラッシュバックであることを子どもは認識していません。 単なる思いだしだよと言ってあげるだけでも、青年期になるとパニックにならないこともあります。
周囲の大人に理解してもらう
子どもにかかわる大人は、「トラウマ」が引き金となりパニックが起こるということを知り、それに対してどのように対応していくのかを、周囲にわかってもらう働きかけをおこなうことが、ASDの子どもにとって非常に重要です。
体を使った予習をする
ASDの子どもに対しては、予習をさせることが大切です。
つねに、予習をしてから物事をすすめると、うまく学習をすすめることが多いです。
気持ちを伝えてあげる
多くのASDの子どもは、他人の気持ちを想像することができません。
しかし、相手をする人間がASDの子どもに対して、自分の気持ちを口で説明してあげることで伝えることができます。